何となく

大学に通う娘が春休みで友達と旅行に行った。

前日まで全く何も知らない私は、昨日帰宅して友達たちとワイワイ騒いでいたのは知っていた。

 

友達たちが帰って、娘が「明日駅まで車で送っていいって。朝6時までに。」と言う。

「え~・」と私。

 

そういえば昨日そんなことを言っていたな・・・。

と思い出しながら、仕方ないか。

 

今朝、娘が5時過ぎに起きだしてそのガタガタ煩い音に私も目が覚めた。

 

「おはよう」と私の寝ている襖を開ける娘。

 

重い体を起こし布団から抜け出す。

目の前には旅行用のコロコロ引いていくキャスター付きのカバンを隣に置いて娘が立っている。

 

「旅行に行くのか?」と聞く私。

「うん。2泊3日で大阪へ行く」という娘。

 

だから駅まで送って行ってと言ったのか。

と思いながら、娘を車に乗せて駅まで。

 

まだ暗い道路が、昨夜から降っている雨で街頭の明かりに反射してとても見ずらい。

 

駅まで送って行き、子供はどんどん成長していくな・・・。

知り合いの女性が言っていた言葉を思い出した。

母一人娘一人の女性。

 

娘が大学へ行き母親の家から通っていたのだが、3年生になった時一人暮らしをすると言って家を出た。

今は殆ど連絡もこない。

 

何も言わないけれど、淋しそうな感じだった。

 

人は生まれてくるときも一人、死ぬときも一人。

家族もそれぞれに人生があり、それぞれに考えながら懸命に生きていく。

 

誰もがいつかは、それに気が付く時が来る。